<小浦>
今日は「ほぼ余談」かもしれませんが・・・
ここ最近、バンクの活動に役立つようにと、それ関連の本ばかり読んできました。
「資本主義崩壊の首謀者たち」(広瀬隆・集英社新書)とか。テレビも、NHKスペシャルの「マネー資本主義」とかを録画して、一生懸命観てきました。
そんなのばかりでちょっと疲れたので、息抜きに、純粋なエンターティメントの小説を読もう!と、図書館で浅田次郎さんの本を借りてきました。「シェラザード」・・・好きな曲の題名だし、浅田次郎なら絶対に面白くて、泣けたりもするから、すっきりすると思ったのです。
と~こ~ろ~が~、
この本は、太平洋戦争末期に沈没させられた豪華客船を引き上げようとする人たちの話。(フィクション・・・だと思います)。スケールの大きい謎解きが面白そう・・と読み始めたら、それがなんと、戦争中に、日銀、そう、日本銀行の職員が味わった悲劇を描いたものだったのです。
日本が、八紘一宇の理想をあげて、アジアに、「欧米の力の及ばない大東亜圏を作る」ということで、中国、フィリピン、シンガポールなどを占領していくのですが、占領というものは、まずは軍事占領という形で始まるけれど、本当に大変なのは、その後、経済的に統治することだ、というのです。つまり、武力で制圧する。そのあと、「軍票」=軍が発行する臨時の紙幣、これをドルやポンドと交換する。つまり流通していたお金を回収して、その後、治安が安定したころに、日銀の優秀な職員が入って、経済的支配を確立する。それが占領の一番大変な仕事、なのだそうです。
そして、戦局が、日本にとって完全に不利になったときに、日銀と日本軍が取った行動とは・・・・・・なぜ、まさか、そんな・・・・というストーリー。いかにも本当にあったかのような、緻密な歴史描写で、しみじみと戦争というものが身に染みました。
結局、銀行の役割というものについて、骨身に悲しく堪えた一冊となりました。
「シェエラザード」(上・下)浅田次郎 講談社 でした。
銀行から離れられないようで・・・
いっそ、銀行物のえんたーていめんとぉ、を読めば(ヴィデオ観るとか)、逆に銀行色が薄くて・・・物足りなかったり。
あ、同じか_w